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イラストレーター サトウコウタの「らしく」な作品

イラストレーター サトウコウタ

1979年・北海道生まれ。デザイン事務所、印刷会社を経て、25歳で上京。セツ・モードセミナー卒。「らしく」には1号から参加。 King Of Heart http://www.koh310.com/

職業・イラストレーターとの出会い

サトウコウタが描くイラストは、レトロで乙女チックな雰囲気が特徴だ。そんな彼独自の世界観があるイラストは、一体どうやって生まれたんだろう。
気さくで見るからに好青年の彼だが、幼稚園のとき突然家族としか喋れなくなり、それが小6まで続いたことや転校などの理由から、専門学校に入るまでなかなか友達ができなかったそう。打ち込むことも特になく、家に帰ると漫画を読んだりゲームばかりしていた学生時代は、「将来のことを考えたこともないし、何がしたいのか、この先どうしたいのかビジョンがなかった。でも、漫画だけは好きだった」。

進路をきめなければいけない高3のある日、両親にどうしたいのか問いただされた。「漫画家になりたい」と意を決して話すと、両親からは「そんなことだろうと思った」という言葉が返ってきた。「親はちゃんと自分のことを見ていてくれたと思って救われた」と、本当に嬉しかったんだろうなと思わせるような笑顔で、彼は当時のことを懐かしそうに話した。

漫画家になりたくて進んだ専門学校だけど、そこは漫画だけではなく広告やイラストの学科もあるところだった。現役のイラストレーターが講師で、初めてイラストや広告に触れたのはこの時だった。「世の中をこうした形で支えている人がいるんだと知った。いつも見ていた広告はこの人が描いてたんだ!と知ったのが10代最大の興奮だった」。これがきっかけで、絵を描く仕事といえば漫画家と画家しか知らなかった彼がイラストレーターという職業に興味を持ち、次第に目指すようになった。

就職難の中、なんとか地元・北海道で広告デザインを手がける会社に就職。楽しくてデザインに没頭したが、ふとイラストレーターになりたかったことが頭をよぎり、その想いは次第に強くなった。純粋に絵を描く勉強をしようと、25歳の時セツ・モードセミナーの美術科に通うため上京。どんな風に表現したいか、卒業間際にようやく自分のやりたいことやビジョンが見えてきた。

画風の原点は生い立ちと社会

現在30歳の彼が多感な中学・高校時代を過ごしたのは、地下鉄サリン事件や神戸連続児童殺傷事件など、世の中が騒然とするような事件が相次いで起きた時代だった。当時受けた衝撃を忘れられず、辿り着いた表現が「人が見て嫌な気分になる絵は描きたくない」ということだった。

まっすぐな目で、彼はこうも続けた。「ちゃんと前を見て世の中を受け入れて、返すような絵を描きたい」。その気持ちの表れだろう。確かに彼の描くイラストはぜったい笑顔で目を開いている。また、「家族と暮らした家の雰囲気は自分の根底にあり、それを思い出すと楽しくなる」ことに気付き、誰もが懐かしさを覚えて温かい気持ちになるレトロな雰囲気で“今”を描いていこうと決めた。そこに、男性よりも豊かな感性を持つ“女性”に対する憧憬も加わり、乙女チックな画風が生まれた。

「自分を誇れるものがなかったから、誇れるものが欲しかった」という彼が見付けた「らしく」な表現方法。「みんなが幸せになれるような絵を描いていきたい」という彼の想いはきっと、イラストを見たみんなにも届いているよね。

公開日:2010年02月11日 00:00
Permalink: http://rashiku.jp/hito/vol06_sato.php

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